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「記憶のアトリエ」は、“大切な記憶”に触れ、綴じる。小さな移動アトリエ。

ZINE作家michi-siruveがトランク一つでご依頼のあった場所へ伺い、今まで制作した誰かの“大切な記憶”が綴じられた小さな本たちと、本づくりの道具や素材を並べて1日だけのアトリエをひらきます。

本と人がともにある、静かな時間。本を手にとりながらゆっくり過ごしたり、あなたの“大切な記憶”をアトリエにある道具を使って本に綴じたり、自由にお過ごしください。

記憶に触れて、記憶を綴じる、そんなゆるりとしたひとときをお贈りします。

掌の記憶」(2015-)

29歳の終わり。初めての妊娠が一転、流産をともなう絨毛がんという希少がんを経験し、同時期に大好きだった祖母の死も重なり……複数の喪失を一度に受け止めなければならなくなったことがありました。

身体中に広がったがんは、抗がん剤で抑え込むことができましたが、消えることのないいたみやかなしみがあることも知りました。

それでも「そのあと」を生きてゆかなくてはいけない。若くしてそのいたみを経験した一人として、また学生時代に社会福祉というまなざしでいのちを見つめてきた一人として、メディア制作という術で人の想いをかたちにする仕事に就いてきた一人として、何ができるのだろう?

そんな問いを抱えながら「大切な記憶」ということばを握りしめ、本に綴ったり、展示をしたり、病院での活動もはじめたり。サポートのかたちを知るために、さまざまな場所や人も訪ねました。

時間の経過とともに和らいだものもありましたが、育むはずだった小さないのち、大切な人、描いていた未来……「大切な何かを失ったいたみ」は和らぐものではなく、むしろ時間がたつほどに疼いたり、かなしみが滲んだり……わたしにとっては忘れることも、目を背けることもできない存在でした。

その事実自体は変えられなくても、せめて「記憶」ということばで包むことで、あたたかな思い出として触れながら生きてゆくことができたら。そんな想いで、他界した家族の記憶や、流産をともなったがんの記憶を、ひとつずつ手製本に綴じてきました。

綴じては置き、置いては触れ、触れては交わし……そのうち「わたしの記憶を本に綴じて欲しい」とご依頼をいただいたり、本と記憶ということばのもと、想いを交わす日々の中で見つけたものもたくさんありました。

そんな日々を経て生まれたのが「記憶のアトリエ」です。より気軽に自由に“記憶”に触れたり、“記憶”を持ち寄ったり、交わしたりできる場所が、日常の中にあったらいいな。

サロンでもなく、ワークショップでもなく、ふらりと訪れて思い思いに過ごすことができるオープンアトリエ。そんな場所自体を自分で新たにつくるような力はありませんが、すでにある場所にわたしと本が呼ばれることで、そこに集う人たちに「ひとときを贈る」ことはできるかもしれない。そんな想いから生まれたのが、この小さなアトリエです。

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「記憶のアトリエ」in トコテコ紙芝居小屋

アトリエには、わたしが今日まで預った「大切な記憶」が綴じられた本たちが並んでいます。「アトリエで使ってね」と預かった押し花や色紙、思い出のシールなどもたくさん集まっています。それらを使って本づくりの体験ができる、真っ白な手製本もたくさん並んでいます。

色々並んでいますが、過ごし方はみなさんの自由です。わたしも本と記憶に囲まれているだけで、何をするでもありません。

何をするでもないけれど、それぞれが抱えているものを“記憶”という言葉のもとでともにする。“記憶”という言葉を通していつまでも触れ、交わしてゆける場があったらいいな。そんな想いでのんびり座っています。

病院やがんを経験された方々が集う場所を中心に、でもがんに限らず、本と人がともにあるさまざまな場所でも。この想いに共感してくださる方々と、ささやかにひらいています。

がんになって5度目の春、34回目の誕生日を目の前に生まれた小さなアトリエ。共感してくださるみなさまと、そしてアトリエに集うみなさまと、少しずつ大切に育みながら、ともに記憶を見つめてゆく営みのようなものです。

ご依頼について
アトリエ日記 (開催の記憶)

michi-siruveプロフィール
ZINE作家。“大切な記憶”を小さな本に綴じています。本づくりの移動アトリエ「記憶のアトリエ」をいろんな町でひらいています。

△“大切な記憶”を豆本におさめて贈る「掌の記憶
△“大切な記憶”に触れ、綴じる。小さな移動アトリエ「記憶のアトリエ
「まなざし」を綴じる。ZINEという表現のかたち (教養と看護「考えること、学ぶこと」 連載/日本看護協会出版会)

>>プロフィール詳細

(↓「記憶のアトリエ」のリーフレットです↓)

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