2019年3月31日(日)11:00~17:00まで、埼玉県蕨市の 喫茶 ボン・クラージュさんで「記憶のアトリエ」をひらきました。
2018年5月から春夏秋冬それぞれに、主に病院などでがんを経験された方やご家族、ご友人のみなさまがゆっくりと過ごせる場としてひらいてきた「記憶のアトリエ」。2019年最初のアトリエは、コミュニティナースさんとの開催でした。
昨年岩手県陸前高田市の箱根山テラスでひらかれた「箱根山学校」で出会った、コミュニティナースのつじちゃん。わたしが今がんサロンのボランティアをしている大阪の病院でも勤務されていたこともあるという縁もあり意気投合。つじちゃんが埼玉県蕨市でこの1年続けてきた「街の保健室」の1周年の節目に、伺うことになりました。
会場は、いつも街の保健室をひらいている蕨市にオープンして31年目を迎える喫茶店ボン・クラージュさん。つじちゃんや街の保健室、蕨にゆかりのある方々が中心にお越しくださり。ゆるやかな出会いの中でそれぞれ交わしあう1日になりました。
いつもアトリエと同様、自由に本づくりができる空間と、自由に本を読むことができる空間、そして本から離れて自由に過ごすことができる空間の3つの空間をつくりました。
いつもつじちゃんが「街の保健室」をひらいているという窓側のテーブルをひとつなぎにして本づくりの空間に。大きな出窓からあたたかい陽のひかりがさす気持ちの良いアトリエになりました。
本を読むスペースは奥のカウンターを丸ごとお借りして、ゆるいアールのかかったカウンターに本を並べました。
アトリエのはじまりは、お越しくださったみなさんと美味しいオムライスとコーヒーをいただきながらのランチタイム。
ランチタイムが一区切りつくと、みなさん本づくりへ。アトリエにあるさまざまな記憶に触れながら、ご自身の本に綴じるものを選ばれていました。
「家でじっくり」とお子さまの記憶を綴じるために小さな豆本を持ち帰られた方、とあるお母さんと娘さんが綴じてくださった小さな豆本を読みながら、ご自身の記憶を語ってくださった方…。みなさんそれぞれに、本と記憶に触れながら、交わしながら。11~17時まで6時間もあったのにあっという間でした。
大切な記憶に触れ、綴じるひとときは小さな種を手渡すような時間です。その種は本が完成して、それを誰かに手渡してみたり、少し経って触れなおしてみたり……そんな風に本との時間を積み重ねる中で、みなさんそれぞれの手の中で育って花ひらくものなのかなと感じています。
みなさんが持ち帰られた記憶の種、芽が出たり、花がひらいたりしたらぜひ見せていただけたらうれしいです。本と記憶ともに再会できる日をたのしみにしています。
お越しくださったみなさま、ボン・クラージュのママ、そしてつじちゃん。本当にありがとうございました。
次回のアトリエは、宝塚でひらきます。関西では今年初めてのアトリエ、みなさんとのひとときをたのしみにお待ちしています。