
「記憶のアトリエ」@ふるえる書庫
2025年10月11日(土)11:00-17:00、この春からメンバーシップのお店番をしている大阪・池田のふるえる書庫さんで、ZINEづくりの移動アトリエ「記憶のアトリエ」をひらきました。
ふるえる書庫さんは約3万冊の蔵書がある、本に囲まれて静かに過ごすことができる場所。
書庫の斜め向かいにある如来寺の副住職 釋大智さんが管理人となり、ご門徒さんから譲り受けた空き家を改装し、ご住職であるお父さまの蔵書と大智さんの蔵書をおさめた書庫として不定期でオープンされています。
michi-siruveは管理人の大智さんと、書庫の改装を担当された建築家の奥田達郎さんとそれぞれにご縁があったことがきっかけで、2025年の春からはメンバーシップのお店番として月に一度春から何度かお店番をしていました。
本とともに過ごせる場所で



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書庫のある池田市はmichi-siruveの拠点・豊中市のお隣ですが、最寄りの阪急池田駅からバスで揺られ、川を渡り、五月山を眺めながら盆栽の畑を抜け、小さな坂道をあがり辿り着く書庫への道のりは、いつもちょっとした小旅行のよう。
書庫に一歩足を踏み入れると、古い民家の記憶を大切に改装された書庫の空間はとても静謐で、心の水面が凪になります。それは他でもない、蔵書たちの佇まいが運んでくれるもののように感じます。
宗教学、哲学、心理学、文学、文化人類学……国も年代も分野も、本の佇まいもきこえてくる声も本当にさまざまなのに、どの本も佇まいに品がある。品があるのにその幅広さと深さが圧巻で、それらが比べられることなく等しく並べられていて、いるだけでその豊かな知に包まれるような、ちょっとだけ触れていられるような、満たされた気持ちになります。
ここで一日じゅう本に囲まれて過ごしながら、読みたかった本を読んだり、最近の活動を振り返ったり、これからのことを考えたりすると、ちょっと心が軽く、しなやかになるような。とても大切な場所です。
月に一度のお店番から書庫通いがはじまり、今年の春には「ふるえるマーケット」という書庫と如来寺さんの本堂でひらかれたフリーマーケットにも出店する機会をいただき、普段病院や地域でひらいているZINEづくりの移動アトリエ「記憶のアトリエ」に置いている手製本を並べると「アトリエにも参加してみたいです」とお声がけくださるお客さまもちらほら。
それなら、一度書庫でもアトリエをひらいてみようと大智さんにご相談しながら、春夏秋と準備の時間をかけて、10月11日(土)の「記憶のアトリエ」@ふるえる書庫が実現しました。
なるべくそのままで、設える



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当日は通常の書庫としてもオープンできたらとお店番もしながら、1階はアトリエとしてもご利用いただけるように、2階の空間は通常の書庫としてもゆっくりご利用いただけるようなに設えました。
1階のアトリエ恵里は入口の土間の本棚を囲んだテーブルにZINEづくりの材料や素材、手製本をぎゅっとまとめて、奥の床の間にmichi-siruveがこれまで綴じてきたZINEたちを展示し、書庫内のあちこちにあるテーブルは、作業スペースに。
なるべく物を移動させたりせずに、書庫にある静謐な本たちの気配はそのままに。縁側の窓もあけて風と光も通しととても気持ちがよく、とっておきのアトリエ空間になりました。
ZINEづくりの様子


オープンからほどなく、本を読みに来られた方、如来寺さんへのお参りのあとに覗いてくださった方、書庫のお店番仲間の方、別の場所で一緒にアトリエをひらいたスタッフさん、遠方からお越しくださった方、前々からSNSをフォローしてくださっていた方、合間に覗いてくださった管理人の大智さん…それぞれの縁や流れでお立ち寄りくださり、本を読んだり、ZINEづくりを楽しんだり、時折語り合ったり、思い思いに過ごされていました。
制作されていたZINEも、数年前に別のアトリエで制作してくださっていたZINEの続きだったり、「美味しい」や「好き」の記憶、ご家族の思い出、「わたし」の想いなど、それぞれの大切なものが綴られていて、みなさんの大切なものをゆるやかに感じあえるような、静かでやさしい時間が流れていました。
アトリエで流れていた時間の詳細は参加者のみなさんとの思い出として留めますが、その空気を少しだけ感じていただけたらと、制作の様子を撮影したお写真を少しだけご紹介します。
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アトリエを終えて
この8年、病院や大学、ときには公園などの地域に開かれた空間など、さまざまな場所でひらいてきた「記憶のアトリエ」ですが、ふるえる書庫さんという膨大な本に囲まれた静謐な空間だからこそ、より安心して過ごせるような、自分の心の深いところに耳を澄ませるような、本当に心地のよいアトリエとなりました。
やっぱり「本がある」っていいなぁ。ことばにするとなんだか平たいですが、さまざまな音色の本たちに囲まれて、ZINEという私的な本が生まれる瞬間にも立ち会うことができて、本当にしあわせなひとときでした。
アトリエ開催を後押ししてくださったふるえる書庫管理人の大智さん、お越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。
またふるえる書庫さんのイベント等で、アトリエのようなものをひらく機会をいただけるかもしれません。もしよければ、またあそびにきてくださいね。
