#ミニアトリエ「よりみち」での本づくり

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「よりみち」での本づくり in チャイルド・ケモ・ハウス

2025年8月6日(水)にチャイルド・ケモ・ハウスさんで開催された“病気のあるお子さんやそのごきょうだい、ご家族のみなさんのための場所”「よりみち」で本づくりのミニアトリエをひらきました。


チャイケモさんが委託を受けている「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業」の一環として、最初に本づくりのアトリエのご相談をいただいたのは、2020年のコロナ禍のこと。「外に出づらい状況でも、それぞれのおうちから一緒に本をつくってたのしむ時間がもてたら」とのご依頼で、初めて開催したオンラインの本づくりのミニアトリエが「おとどけあのねカフェ」でした。

その後も2021年には「ふらりカフェオンライン」 、2022年には「おしごとカフェ」とかたちをかえて、病気のあるお子さんやそのごきょうだい、ご家族のみなさんと、本とともに時間を過ごし「いつか対面開催できる日がきたら」という願いを持ちあいながら、5年の月日を経てようやく実現したのが、この「よりみち」で本づくりのミニアトリエでした。

みんながのびのびと過ごせる場所で

会場は、兵庫県神戸市にあるチャイルド・ケモ・ハウスさんの一角。

いつも「よりみち」が開催している場所で、バリアフリーの広い玄関の先には、天窓からのやさしい光に満ちた広くて明るい空間がひろがっていました。バギーに乗って、椅子に座って、ゆっくり本を読んだりおはなしをしたりできるテーブルや、窓際の大きなソファ、そしてくつをぬいで自由に過ごすことができるローテーブルのお座敷。本やおもちゃも棚一面に並んでいて、子どもたちも大人も、安心してのびのびと過ごすことができる包容力のある空間。そこに一緒にいるだけで、心もからだも緩んでいく、とても気持ちのよい空間でした。

今回のミニアトリエでは、奥の窓際の大きなソファに手製本をずらりと並べて、会場の真ん中に本づくりの道具や素材をまとめ、そのまわりに本づくりができるダイニングテーブルやくつを脱いでリラックスして本づくりができる島を広げてみなさんをお迎えしました。

本づくりの様子

午前の部と午後の部に分けた本づくりの時間は、どちらもほぼ定員いっぱい。午前の部はオンラインでのご参加もあり、チャイケモのスタッフさんのサポートで、オンラインでも一緒に、本づくりの時間を過ごすことができました。

ご家族の思い出の写真を持ってきてくださっていたり、好きなものをいっぱい描いたり、アトリエにあるシールや活字や星座盤からお気に入りをみつけて並べたり。みなさんそれぞれのペースや表現で、思い思いに本づくりをたのしんでくださっていたのが印象的でした。

ミニアトリエで流れていた時間の詳細は参加者のみなさんとの思い出として留めますが、その空気を少しだけ感じていただけたらと、おさめた写真を少しだけおすそわけします。

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ハウスにこめられた想い

今回、午前の部と午後の部のあいだのお昼休憩の時間帯に、チャイケモのスタッフさんのご案内で「ハウス」の中も見学させていただきました。

「ハウス」は、小児がんなどの小児慢性特定疾病のお子さんとそのご家族が、入院中、入院前後に一緒に滞在できる施設です。ご家族の人数に合わせた大小さまざまな間取りのお部屋と、プレイルームなどの多様な共用スペースには、実際に治療を経験されたご家族の「こんな場所があれば」の想いがつまっていて、今治療のさなかにあるご家族の療養生活の支えとなっています。

たとえば、1部屋ずつ間取りが異なる全19室のお部屋には、おうちのように「ただいま」「おかえり」と入ることができる玄関があって、最低限の調理道具も備えたキッチン、ひとときでも身体を休めることができるベッドルームやセパレートのバスルーム、長期療養の荷物のおさめることができる収納スペースも完備。

各お部屋の設えのディテールには、療養中の子どもたちやご家族が安心して一緒に過ごすことができるようにという願いがこめられていて、ご家族はもちろん、お友だちを招いて一緒に時間を過ごすこともできるとのこと。病院での入院生活や、遠方からの通院では叶わない「大切な家族や友だちと一緒に」という願いのともしびも、ここでなら守れるのかもしれないと想像しながら、このお部屋で過ごしてこられたご家族のことを想いました。

また、それぞれのお部屋も共用スペースも天窓と窓からのやさしい光に満ちていて、陽のひかりや窓の外の緑を感じながらつかの間でもほっとできるような空間だったことが心に残っています。カメラのレンズを通しても伝わるそのやさしいひかりを、少しだけおすそわけです。

共用スペースには、温泉宿の貸し切り風呂のような天窓や植栽を望む広々とした家族風呂や、お子さんもご両親も身体を動かしたり演奏したりできるお部屋、一人になりたい時に籠ることができる小さなお部屋、治療の副作用で食べ物の匂いがお部屋に籠るとつらいご家族のための共用キッチンなど、一人ひとりの暮らしを支える居場所とご家族をサポートするスタッフのみなさんのあたたかなまなざしや声かけがありました。

かつでがん治療を経験したひとりとしても、自分の療養生活の記憶を重ねながら、治療中のお子さんもご家族もそれぞれの孤独や儘ならなさを抱えながらの療養生活に、こんな風に包み、見守り、ともに居てくださる空間とスタッフさんがいることは、どれだけ支えになることかと思いました。

よりいっそう「チャイケモさんの活動を応援したい」という気持ちが強くなった見学のひとときとなりました。今回の見学で感じたことは、これからお会いするみなさんにも手渡して、わたしも応援者のひとりとしてできることを重ねていきます。お忙しいところご案内くださり、本当にありがとうございました。

ミニアトリエを終えて

チャイケモさんとのはじめて実現した「対面&オンライン」の本づくりの時間、無事終えることができました。

今回のアトリエでは、チャイケモのスタッフさんに加えて、2年前にわたしの母校の大学で開催したアトリエに参加してくださった後輩で、子どもたちと関わる専門職を目指している大学院生さんも一緒に参加してくださり、子どもたちやご家族と丁寧に関わってくださったのですが、そんな風に、いろんな場所で出会った人たちがアトリエという場所で再会したり、出会ったりしながら一緒に過ごすことができていることも、わたしにとってはまた一つうれしい記憶となりました。

レポートというかたちで振り返りながら、ほんとうにみなさんの存在があってこそのアトリエの時間だったなと、お一人おひとりの関わりを思い返しながらあたたかい気持ちになっています。そんなみなさんとのびのび過ごした一日は、わたしにとってもうれしくたのしくしあわせなひとときでした。お越しくださったみなさんにとっても、何か心にのこる夏の思い出の一つになれたらうれしいなと思います。お越しくださったみなさん、サポートしてくださったスタッフのみなさん、本当にありがとうございました。

アトリエはまた各地で開催の予定もありますので、もしよければいつでもあそびにきてくださいね。

「記憶のアトリエ」について

Schedule

2018年
5/27  #001  「記憶のアトリエ」in 静岡
8/12 #002  「記憶のアトリエ」 in 富山
11/3  #003  「記憶のアトリエ」in 静岡
12/15  #004  「記憶のアトリエ」in 兵庫

2019年
3/31 #005「記憶のアトリエ」in 埼玉
4/6 #006「記憶のアトリエ」 in 兵庫
6/8 #007「記憶のアトリエ」in 静岡
7/25 #008「記憶のアトリエ」in 宮城
8/17 #009「記憶のアトリエ」in 富山
8/30,31  #010「記憶のアトリエ」 in 兵庫
10/19 #011「記憶のアトリエ」in 大阪
11/9 #012「記憶のアトリエ」in 静岡

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2020年 ~
※安心して開催できる状況になるまで、オープンなアトリエの開催はお休みしています。クローズなアトリエは再開しておりますので、お気軽にご相談ください。
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